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中古車市場コラム

中古車相場の推移|2021年以降をASの月次レポートと公表統計で振り返る

公開日 2026年10月5日

中古車の仕入れ値が「去年と違う」と感じたとき、まず見たいのは数年分の相場の推移です。このサイトに掲載しているAS自動車業界の動向(オートサーバー発行)の月次レポート22本、2021年8月号から2023年5月号までには、オークション会場の出品台数、成約率、相場の書きぶりが毎月残っています。この記事では、その記述を時系列に並べ、株式会社ユー・エス・エスが公表しているUSS会場の成約車両単価と、日本自動車販売協会連合会(自販連)・全国軽自動車協会連合会(全軽自協)の台数統計で裏を取りました。2023年6月以降は公表統計の数字だけで追っています。先の値動きの予想は書いていません。

この記事で確認した一次情報

中古車相場の推移(2021年〜2026年の大きな流れ)

2021年以降の中古車相場の推移は、3つの時期に分けると読みやすくなります。1つ目は2021年夏から2022年秋までの高騰期です。AS自動車業界の動向 2021年9月号は「中古車流通相場が2割程度上昇との声」を伝え、USSの成約車両単価は2022年9月に122万1千円まで上がりました。2つ目は2022年10月から2023年の落ち着いた時期で、オークションの出品台数が前年を上回り、成約率が下がりました。USSの単価は2023年4月から10月まで、6月を除いて前年同月を下回っています。3つ目は2024年以降で、USSの年度累計の単価は2024年3月期の104万9千円から2026年3月期の125万9千円へ、再び高い水準に移りました。台数では、自販連の中古車登録台数が2022年に349万5,305台まで減り、その後は360万台前後で推移しています。

時期オークションの状況(AS月次レポート・USS)USS成約車両単価の例
2021年8月〜2022年9月出品台数が前年を下回り、成約率と相場が高い状態が続いた。2021年4月 78万5千円 → 2022年9月 122万1千円
2022年10月〜2023年出品台数が前年を上回り、成約率が下がって再出品が増えた。2023年4月 88万3千円、2023年9月 107万4千円
2024年〜2026年8月公表統計で見ると、単価が前年を上回る月が多かった。2025年2月 126万円、2026年2月 138万円

USSの成約車両単価は、USSグループ会場で成約した車の平均です。車種や年式の構成、輸出向けの高額車の比率で上下するため、相場の方向を見る目安として使っています。

USSの成約車両単価で見る中古車価格の推移

USSの成約車両単価は、2021年3月期(2020年4月〜2021年2月)の累計77万1千円から、2022年3月期に90万9千円、2023年3月期に106万7千円へと2年続けて上がりました。2024年3月期は104万9千円で前期比98.4%と一度下がり、2025年3月期に121万6千円(115.9%)、2026年3月期に125万9千円(103.5%)と再び上昇しています。2026年4月〜8月の累計は128万9千円です。株式会社ユー・エス・エスのデータブックでは、2025年のオートオークション業界の出品台数に占めるUSSのシェアは43.2%で、オークション流通の4割強を占める会場群の数字として参考になります。ただし、各期の3月分はこの記事で開いた資料に含まれていないため、表は4月〜2月の累計で比べています。

USSの決算期(対象期間)成約車両単価の累計(前期比)成約率の累計
2021年3月期(2020年4月〜2021年2月)77万1千円62.9%
2022年3月期(2021年4月〜2022年2月)90万9千円(117.9%)65.7%
2023年3月期(2022年4月〜2023年2月)106万7千円(117.3%)63.8%
2024年3月期(2023年4月〜2024年2月)104万9千円(98.4%)63.6%
2025年3月期(2024年4月〜2025年2月)121万6千円(115.9%)67.1%
2026年3月期(2025年4月〜2026年2月)125万9千円(103.5%)66.9%
2027年3月期(2026年4月〜8月)128万9千円(108.5%)65.1%

月単位で見ると、上がり方には波があります。2022年9月の122万1千円は前年同月比132.3%でしたが、2023年2月には100万2千円で前年同月比99.6%と、上昇が止まりました。2024年は4月の112万2千円から7月の125万6千円まで前年を大きく上回り、2025年4月〜8月は前年同月をわずかに下回っています。2026年は2月に138万円、7月に134万5千円、8月に124万8千円でした。前年同月比だけを見ると「下がった」「上がった」が月ごとに入れ替わるので、仕入れの判断では数か月分を並べて見るほうが安全です。

2021年8月〜2022年9月の中古車相場(タマ不足と高騰)

2021年8月から2022年9月までの中古車相場は、オークションに出てくる車の不足で高止まりしていました。AS自動車業界の動向 2021年8月号は、新車の供給不足による下取車の減少で「玉不足が当面続く」と書き、2021年10月号では全国のオークション出品台数が前年比2割弱の減少になっています。2021年11月号には、半導体不足と東南アジアでの感染拡大による部品供給の停滞で新車メーカーが減産し、「下取り車両が激減」「高成約率、相場高騰の状況が継続」とあります。ASワンプラ(共有在庫)の出品台数も、2021年11月末には6月頃より1万台以上少なくなりました。オークション出品台数の前年割れは2021年8月から2022年9月まで14か月続き、2022年9月号の時点でもAA落札は前年同月の9割程度にとどまっています。

  • 2021年9月号:鉄スクラップ相場の上昇もあり「中古車流通価格の高騰が続いている」。
  • 2022年3月号:成約率も相場も高いが「2月末あたりよりやや落ち着きつつ」ある。出品車は低年式・過走行・低評価の車が多い。
  • 2022年4月号:半導体不足、コロナ禍にウクライナ危機が重なり、メーカー各社の減産が続く。
  • 2022年6月号:タマ不足で成約率が再び上昇し、相場も高騰の傾向が続く。
  • 2022年8月号:お盆休み明けの成約率は、ほとんどの会場で2〜3%上昇し、成約単価も上昇。

この時期、オークションのセリで落札しにくくなった会員が、価格が先に決まっている共有在庫に流れた様子も記録されています。2022年7月号と8月号は、ASワンプラの落札が前年同月を1割ほど上回ったと書いています。仕入れ先を1つに絞っていた販売店ほど、台数の確保に苦労した時期でした。

2022年10月〜2023年5月の中古車相場(出品回復と成約率の低下)

2022年10月から2023年5月にかけて、中古車相場の上昇は止まり、オークションでは売れ残りが目立つ時期に入りました。AS自動車業界の動向 2022年10月号によると、オークション出品台数は前年同月を6%ほど上回り、15か月ぶりにプラスに転じています。11月号では出品台数が前年の2割以上増え、理由として「小売りが厳しく成約率の下落により再出品車両の増加」が挙げられました。12月号には「相場の高騰が落ち着き」とあります。USSの成約率も、2022年8月の72.1%から2022年12月には57.0%まで下がりました。2023年2月号は、出品店の売り切り価格が高く成約率が低調だと書いています。出品台数のプラスは2023年5月号の時点で8か月続き、その5月には会場の成約率が4月より5%程度上がりました。

号オークション出品台数とレポートの記述
2022年10月号出品台数は前年同月を6%ほど上回り、15か月ぶりにプラスになった。USS会場が出品増をけん引した。
2022年11月号出品台数は2割以上増えた。成約率の下落で再出品車両が増えたことが主な理由とされる。
2022年12月号出品台数は1割以上増えた。相場の高騰が落ち着き、落札も回復傾向にあった。
2023年2月号出品台数は2割以上増えた。小売りの動きがやや悪く、出品店の売り切り価格も高いため成約率は低調だった。
2023年4月号出品台数は1.5割程度増えた。仕入れスタイルのワンプラ化を新たなトレンドと書いている。
2023年5月号出品台数は20%程度増えた。成約率は4月開催分より5%程度上がった。

同じ2023年5月号は、自販連と全軽自協の数字も引いています。2023年5月の新車販売台数(登録車と軽自動車の合計)は32万6,730台で前年同月比25.0%増、中古車販売台数(登録と届出の合計)は50万1,582台で2.4%増でした。登録車の中古車は28万5,500台で、22か月ぶりに前年を上回っています。新車の供給制約が和らいだことが中古車にも及んだ、というのがレポートの見立てです。

中古車登録台数と軽中古車販売台数の推移

台数で見た中古車市場の推移は、相場の動きとほぼ裏返しの形をしています。自販連の中古車登録台数(登録車)は、2021年が372万8,751台、2022年が349万5,305台で前年比93.7%に落ち込みました。2023年は356万2,068台(101.9%)、2024年は366万1,625台(102.8%)と戻り、2025年は363万2,179台(99.2%)です。2026年1月〜8月の累計は242万8,098台で、前年同期の99.7%でした。全軽自協の軽四輪車の中古車販売台数も、2021年の300万2,274台から2022年は280万6,346台(6.5%減)へ減り、2023年に287万2,848台、2025年は285万5,689台です。高騰期に台数が減り、相場が落ち着くと台数が戻るという順番は、オークションの出品台数の動きと合っています。

年中古車登録台数・登録車(自販連、前年比)軽四輪車の中古車販売台数(全軽自協、前年比)
2021年3,728,751台(97.3%)3,002,274台(1.1%減)
2022年3,495,305台(93.7%)2,806,346台(6.5%減)
2023年3,562,068台(101.9%)2,872,848台(2.4%増)
2024年3,661,625台(102.8%)2,836,502台(1.3%減)
2025年3,632,179台(99.2%)2,855,689台(0.7%増)

自販連の中古車登録台数は、新規登録・移転登録・変更登録の3業務を合算したナンバーベースの数字です。販売店の小売台数そのものとは一致しません。軽自動車の動きは軽自動車の中古車相場と届出台数の動きでも取り上げています。

中古車相場の推移を仕入れと値付けに生かす方法

相場の推移を店の数字に落とすには、オークションの平均単価と自店の仕入れ値を同じ期間で並べるのが近道です。たとえばUSSの単価が前年同月比で110%前後の月が続いているなら、同じ車種を前年と同じ予算で仕入れるのは難しく、在庫の回転日数を短めに見込む判断ができます。2022年11月から2023年春のように成約率が60%前後まで下がる時期は、出品側の売り切り価格と落札側の目線がずれている状態で、共有在庫や会場のワンプライス出品で条件の合う車を拾いやすくなります。AS自動車業界の動向 2023年4月号が「仕入れスタイルのワンプラ化」を新しい流れとして挙げているのも、この時期の話です。逆に成約率が70%を超える月は、セリでの競り負けを前提に入札の上限を決めておく必要があります。

  1. 月に1回、USSの月次データ(成約率・成約車両単価)と自販連の登録台数を記録する。
  2. 自店の仕入れ台数、平均仕入れ値、在庫日数を同じ月で並べる。
  3. 成約率が高い月はセリの上限を決め、低い月は共有在庫やワンプライスの比率を増やす。
  4. 車種ごとの値動きは、オークションの落札相場で年式・走行距離をそろえて確かめる。

車種別の落札相場の調べ方は、姉妹サイトのオークション相場情報の解説にまとめています。相場が上がった理由の分析は中古車価格が高騰した理由、季節ごとの動きは中古車相場の季節変動をご覧ください。

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よくある質問

中古車相場はいつから上がり始めたのですか?
AS自動車業界の動向 2021年8月号は、新車の供給不足による下取車の減少で「玉不足が当面続く」と書いています。2021年9月号では「中古車流通相場が2割程度上昇との声」が紹介されました。USSの月次データでも、成約車両単価は2020年4月の56万5千円から2021年4月の78万5千円へ上がっており、2021年の春から夏にかけて上昇がはっきりしたと読めます。
中古車相場が下がったのはいつ頃ですか?
AS自動車業界の動向では、2022年10月号でオークション出品台数が15か月ぶりに前年を上回り、2022年12月号で「相場の高騰が落ち着き」と書かれています。USSの成約車両単価は2023年4月から10月まで、6月(100.6%)を除いて前年同月を下回りました。それでも2021年以前の水準には戻らず、2023年9月の単価は107万4千円でした。
USSの成約車両単価は中古車全体の相場と同じですか?
同じものとして扱わないでください。USSの数字はUSSグループ会場で成約した車の平均単価で、高額車や輸出向けの車が多く成約した月は上がります。軽自動車の比率や年式の構成でも動きます。業界全体の値動きを見る目安の一つとして使い、個別の車の仕入れ値は相場検索で車種・年式・走行距離ごとに確かめます。
中古車の登録台数は相場と一緒に減ったのですか?
自販連の統計では、登録車の中古車登録台数は2021年が372万8,751台、2022年が349万5,305台(前年比93.7%)で、高騰期に減りました。2023年は356万2,068台、2024年は366万1,625台と戻り、2025年は363万2,179台です。全軽自協の軽四輪車の中古車販売台数も2022年が280万6,346台(6.5%減)で底になっています。
最新の中古車相場の推移はどこで確認できますか?
業界全体の台数は自販連と全軽自協が毎月公表しています。オークションの成約率や平均単価は、上場しているオークション会社の月次IRで確認できます。このサイトでもオートサーバーの月次レポートを年別ページに掲載しています。車種ごとの相場は、ASNETの相場情報などオークションの落札データで確かめるのが確実です。
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